最終更新:2026年11月4日/この記事は、IPA(情報処理推進機構)や警察庁が公表している情報と、運営者がスマホ教室で高齢者の皆さんと接してきた経験をもとに書いています。運営者はセキュリティの専門家ではありません。操作に不安があるときは、IPAの相談窓口などにご相談ください。

インターネットを見ていたら、突然「ウイルスに感染しました」「今すぐサポートに電話してください」という画面が出て、大きな警告音まで鳴り出した──。

びっくりして、画面に出ている電話番号にかけてしまいそうになりますが、ちょっと待ってください。それは「サポート詐欺」と呼ばれる詐欺の画面です。

この記事では、サポート詐欺の見分け方と、偽の警告画面の閉じ方、もし電話してしまったときの対処をまとめました。

先に結論:画面に電話番号が出ている警告は偽物です。電話をかけず、画面を閉じるだけで大丈夫です。電話さえしなければ、被害にはつながりません。

サポート詐欺とは

サポート詐欺は、パソコンやスマホに偽のウイルス感染の警告を出して不安にさせ、画面の電話番号にかけさせる詐欺です。IPAによると、典型的な流れは次のとおりです。

  1. ホームページの広告や、検索結果の広告を押すと、画面いっぱいに偽の警告が出る(警告音や音声で不安をあおる)
  2. 「今すぐサポートに電話を」と書かれた番号に電話をかけさせる
  3. 電話に出たオペレーターが、パソコンを遠隔操作するソフトを入れさせる
  4. 「修理代」「サポート契約」などの名目で、数万〜10万円ほどを支払わせる(コンビニで買う電子マネーのカードの番号を伝えさせる手口が多い。ネットバンキングから不正に送金させた例もある)

数字で見る被害

警察庁の統計では、令和7年の「サポート名目」の詐欺は1,048件・被害額14.9億円でした。件数は前年より減ったものの、被害額は約1.5倍に増えています。

出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」

偽の警告の見分け方

  • 画面に電話番号が出ている:IPAは、画面いっぱいにウイルス感染の警告が出て、そこに電話番号が書かれていたら偽物と考えてください、と案内しています。
  • 大きな警告音や音声が流れる:あわてさせて、考える時間をなくすのがねらいです。
  • 画面の「×」を押しても閉じない:偽の画面に描かれた「×」は飾りで、押しても反応しないことがあります。

警告音が大きくてあわてるときは、まず音量を下げてください。音を消すだけで、落ち着いて考えられます。

偽の警告画面の閉じ方

パソコン(Windows)の場合

  1. キーボードの「Esc」キーを3秒ほど長押しします。画面の上に本物の「×」(閉じるボタン)が出てきたら、押して閉じます。
  2. それでも閉じられないときは、「Ctrl」「Alt」「Delete」キーを同時に押し、出てきた画面の右下から再起動を選びます。

IPAは、偽の警告画面を再現した「体験サイト」を公開していて、パソコンで閉じる練習ができます(スマホでは体験できません)。一度練習しておくと、本番であわてずにすみます。

スマホの場合

スマホでは、ホームページを見ているブラウザのアプリ(SafariやChromeなど)を閉じれば大丈夫です。

  • 画面の下から上にゆっくりスワイプ(機種によっては画面下の「□」ボタン)して、使っているアプリの一覧を出します。
  • ブラウザのアプリを上にはじいて閉じます。
  • もう一度ブラウザを開いたときに同じ画面が出たら、そのタブを閉じてください。

※タブレットについては、IPAが「全画面のどこかを長押しすると上に×が出る」「画面の左端からのスワイプで閉じられる」と案内しています。操作は機種によって違うため、分からないときは家族やお店で確認しましょう。

やってはいけないこと

  • 画面に出ている電話番号に電話する
  • 電話の相手に言われてアプリやソフトを入れる
  • 電子マネーのカードを買って番号を伝える、言われるままにネットバンキングを操作する

もし電話してしまったら

IPAの案内をもとに、状況別にまとめます。

状況すること
電話をかけていない偽の画面を閉じるだけでOK。パソコンやスマホはそのまま使えます
電話で話しただけ(ソフトは入れていない)影響はないと考えられます。画面を閉じ、念のためブラウザの履歴を消します
遠隔操作のソフトを入れてしまったソフトを削除し、パソコンを以前の状態に戻す(Windowsの「システムの復元」)。難しければ初期化。家族やIPAの窓口に相談しましょう
ネットバンキングにログインさせられたすぐにパスワードを変更し、身に覚えのない取引がないか確認して、銀行に連絡します
お金を送ってしまった至急、振込先の銀行と自分の銀行、そして警察に連絡します
サポート契約をしてしまった消費者ホットライン「188」に相談します

スマホ教室で感じたこと

以前、スマホ教室で「スマホに広告が出ないようにしてください」と頼まれたことがあります。無料のアプリやホームページは広告で成り立っているので、広告をなくすことはできません。

でも、サポート詐欺の入り口になっているのが、まさにこの広告です。広告をゼロにはできないからこそ、「広告は押さない」「押してしまって変な画面が出たら、あわてずに閉じる」──この2つを知っておくことが大切だと感じています。

怖がってスマホやパソコンを使わないのではなく、閉じ方を知ったうえで使う。それがいちばんの備えです。

まとめ

  • サポート詐欺は、偽のウイルス警告で電話をかけさせ、お金をだまし取る詐欺
  • 電話番号が出ている警告は偽物。電話さえしなければ被害にはならない
  • パソコンは「Escキーを長押し」、だめなら「Ctrl+Alt+Delete」から再起動
  • スマホはブラウザのアプリを閉じる
  • 電話してしまった、お金を払ってしまったときは、すぐに相談する

困ったときの相談先

相談先電話番号内容
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口03-5978-7509偽の警告の消し方など、パソコン・スマホの技術的な相談(平日10時〜17時、通話料は自己負担)
消費者ホットライン188サポート契約など、お金や契約のトラブル
警察相談専用電話#9110詐欺かどうか迷ったとき
警察(緊急)110お金を送ってしまった、今まさに被害にあっているとき

防犯・詐欺対策のほかの記事も、あわせてご覧ください。

参考にした資料(2026年11月4日確認)

IPA「安心相談窓口だより」サポート詐欺の手口と対処(2024年11月19日公開・2025年4月3日更新)
IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ・体験サイト」
IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」
警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等」